(図解)簡単に理解できる「グローバルプロジェクト」の進め方~3つの壁~
【難易度★★★★☆】

【難易度★★★★☆】以上は「実務家向け」の内容となりますので、ご留意ください。

意識するべき「3つの壁」とは?

相談者

最近、会社で海外の方たちと一緒にプロジェクトをやっているんですが、なかなかうまくいきません。仕事が忙しくて、寝不足気味です。。

会計士

グローバルプロジェクトは大変ですよね。大体みなさん寝不足になっています。今回は、グローバルプロジェクトを少しでも円滑に進めるためのアイデアをいくつかご紹介しようと思います(プロジェクトの状況によってあてはまらないこともあると思いますが、なにかヒントになれば幸いです)。

3つの壁とは?

グローバルプロジェクトを進めるにあたって大きく「3つの壁」があると思っています。「海外とのやりとり」という目線での壁ですが、①文化の壁、②言語の壁、③時差の壁の3つです

グローバルプロジェクト
相談者

「3つの壁」、、よくわかります。こちらの言っていることを理解してくれないし、ミーティングの時間も朝早かったり、夜遅かったり、なにかと振り回されている気がします。

乗り越えるための解決策

会計士

これらの壁を乗り越えることは非常に難しいのですが、いくつか解決策を考えてみました。まずは「①文化の壁についての解決策です。

文化の壁

海外の考え方を理解する

1つの解決策は、「海外の考え方を理解すること」です。当たり前のように聞こえますが、日本の常識があたまに刷り込まれていると、なかなか海外の考え方を柔軟に理解するというのは難しいことです。

「日本では、XXはこうあるべきだ」「いや、海外ではこれが一般的だ!」というお互いの常識をベースにした議論は並行性となり、前に進みません。気づいたら会議時間の一時間が終わったのに、同じような議論しかしていなせずに結論が出ていない。といったことも海外との会議だと起こりがちです。

相談者

逆も然りですよね。。こちらの考えを全然理解してくれようとしません。

会計士

そうですね。。次も当たり前のことではあるのですが「ロジカルに説明すること」もあわせて重要です。

ロジカルに説明する

次に、海外の考え方を理解したうえで「ロジカル(論理的)に説明すること」が重要です。これも当たり前に聞こえますが、特に海外の方と議論するときにはロジカル(論理的)に説明をすることを意識する必要があります。

海外の方は日本よりも合理的な考え方をする傾向があり、感情よりも論理を優先することが多いと感じています。そのため、ロジカルに説明することを意識しましょう。

相談者

「海外の考え方を理解すること」はたしかに大事ですよね。「ロジカル(論理的)に説明する」というのはわかっていても難しそうです。。

会計士

言葉で言うのは簡単ですが、実践するのは難しいですよね。そういう場合は、外部のコンサルタントをうまく利用しましょう。彼らは「ロジカルシンキング(論理的思考)」の訓練をしているので、大きなサポートになると思います。

言語の壁

会計士

次は「②言語の壁についての解決策です。

通訳を利用する

海外の方とミーティングをする場合、「英語」でコミュニケーションをとる必要があります。英語ができる方は問題ないのですが、英語に苦手意識をもっているメンバーが多い場合、通訳を利用することを検討すると良いと思います。

同時通訳、逐次通訳がありますが、同時通訳だと値段が高くなるのと、特殊な機材が必要になるので、逐次通訳がおススメです。また、逐次通訳の場合にはこちらの声のトーンやリアクションを会議の中で伝えることができるので、コミュニケーションの助けとなります。通訳なしで会議をすることも、英語の勉強にもなるので、非常に有意義ではあるのですが、プロジェクトを前に進めるうえでは、お互いの認識齟齬がないように正確にコミュニケーションをとることが非常に重要です。

相談者

通訳ですか、、考えたことがなかったです。でもお金がかかるので、うちの会社では使わせてもらえなさそうです、、

確かにお金はかかってしまうのですが、1時間の会議で議論が平行線となってしまった場合、会議の参加人数×1時間分のみなさんの人件費が無駄になっているとも考えられます。であれば、効率的に会議を進めるために通訳を利用することはコスパの良い選択であると考えられます。

会議のゴールを紙に落とす

また、「会議のゴール(目的)」や日本チームの「意見」「理由」を英語で紙に落としておくこと(資料として準備すること)も非常に重要です。

これは海外との会議に限った話ではないですが、いわゆる「空中戦(資料がなく、口頭で議論をすること)」となってしまうと、会議が脱線してしまったり、あとで認識の祖語が出てきたりしてしまい時間を無駄にしてしまいます。特に、言語の壁のある海外との会議ではその可能性が高まります。

相談者

たしかに会議の時間を無駄にするよりも、通訳を使ったほうがお得かもしれないですね。また、英語で「紙(資料)に落としておくこと」の重要性も理解しました。

時差の壁

会計士

最後に「③時差の壁についての解決策です。

定例ミーティング

特にアメリカやヨーロッパの方と仕事をする場合には、お互いの定時内に会議を設定することが難しくなります。また、日程の調整をするのも一苦労です。

そこで、「毎週X曜日のXX時~XX時」といった形で、定例のミーティングを設定することをおススメします。1度の調整・交渉で終わるので、無駄な調整作業が減り効率的なためです

相談者

たしかに会議の調整だけで忙しそうにしている人を見かけるので、定例ミーティングをうまく利用することは有効な気がしますね。

時差を利用する

次に、時差をうまく利用することをおススメします。時差があるため、タイムリーにコミュニケーションがとれないというデメリットがある一方で、時差があるということは、時間を効率的に使うチャンスでもあります。日本で問題を整理→アメリカで判断、決定→日本では次のアクションに進む、といったサイクルがうまく回るとプロジェクトが効率的に前に進みます。

相談者

なるほど。煩わしかった時差をうまく使うことで効率化につながるんですね。これはプロジェクトリーダーの腕の見せ所ですね。

会計士

そうですね。プロジェクトマネジメントを考えるうえで非常に重要な観点です。
どれも言うのは簡単で、実践するのは難しいのですが、日々の仕事のなかで意識することが重要だと思います。

「解決策を意識する」だけで効率化につながる可能性がありますので、取り入れられそうなものから実践してもらえると嬉しいです。

壁の乗り越え方
本記事のまとめ
  • グローバルプロジェクトを進めるにあたって大きく「3つの壁」がある
  • 3つの壁とは、「文化の壁」「言語の壁」「時差の壁」である
  • 壁を乗り越えるのは非常に難しいが、「解決策を意識する」だけで効率化につながる