(図解)簡単に理解できる「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」~投資のリターン~
【難易度★★☆☆☆】

「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」とは?

会計士

今回は、投資のリターンである「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」という内容について解説を進めていきます。

インカムゲインとキャピタルゲイン

「インカムゲイン」「キャピタルゲインは」いずれも投資から得られるリターン(利益)のことです。 「インカムゲイン」は、資産から生み出される果実を継続的に受け取る収入のことをいいます。一方、「キャピタルゲイン」は、資産を売却することによって得られる収入のことをいいます。

たとえば、インカムゲインは「配当」「利息」「家賃収入」等が該当します。一方、キャピタルゲインは株、債券、不動産等の「売却益」が該当します。

また、「インカムゲイン」は「ローリスク・ローリターン(コツコツ安全に)」であるのに対して、「キャピタルゲイン」は「ハイリスク・ハイリターン(一発大物狙い)」です。

インカムゲイン、キャピタルゲイン
会計士

なお、FXやゴールド(金)への投資は、値上がり益のみを目的とした投資のため、「インカムゲイン」はなく、「キャピタルゲイン」のみとなります。

インカムゲイン、キャピタルゲイン
相談者

まだあまりイメージが湧かないですね。。 

会計士

ここからはイメージベースで解説を進めていきます。資産の「元本」=「木」、「果実」=「リンゴ」と考えてましょう。

「インカムゲイン」のイメージ

「インカムゲイン」は、購入した木(元本)から毎年生み出されるリンゴ(果実)のように、基本的には毎年安定して成果を得られるという特徴があります。1つの木からできるリンゴの金額はそこまで大きくないかもしれないですが、長期間にわたり安定的に収入が入ってきます。なお、購入した木が良くなかったため、あまり果実ができなかったということもあり得ますし、年によっては果実があまり実らなかったりということもあり得ます。 

そのため、果実が実りそうな木(安定的に利益を出せる会社)を購入することが重要で、良い木を見つけることができれば安定した「インカムゲイン」を得ることができます。また、果樹園を自ら運営する(会社を自ら運営する)ことは基本的にはなく、運営自体は誰かにお願いし、果実のみをもらう(経営は経営者にお任せし、利益を配当としてもらう)ケースが多いです(いわゆる「不労所得」と言われる所以です)。

インカムゲイン

「キャピタルゲイン」のイメージ

「キャピタルゲイン」は購入した木を「売却」するときに発生する損益のことで、大きく成長することでもうけの金額が大きくなる可能性があるといった特徴があります。購入した時点ではどの程度果実ができるかわからない木(元本)を購入し、将来の結果によって木(元本)の値段が大きく上がれば儲けになるという仕組みです。

木の値段は長期的にしか変動がないですが、「株」「FX」等は短期間で価格が変動するため、いわゆるデイトレーダーと呼ばれるような人たちは、この「キャピタルゲイン」を狙って投資を行っています

 以前の記事で「株はギャンブルか?」という話をしましたが、インカムゲインを目的とした株の購入は、会社の所有者として果実を得ることができる「投資」であるのに対し、キャピタルゲイン(特に短期間での)を目的とした株の購入は、ギャンブル性のある「投機」の性質が強くなるイメージ持つとより理解が深まるかと思います。 

あわせて読みたい

「株はギャンブルか?」については、以下の記事をあわせてご参照ください。

キャピタルゲイン
相談者

なるほど。だいぶイメージが湧いてきました。「不労所得」というのはとても興味がありますが、配当だけで大きな金額を収入として得るのは大変と聞いたことがあります。

「インカムゲイン」の取引例(株式の配当)

会計士

一般的には金額が小さいと言われるインカムゲインですが、実際どの程度入ってくるのか、株式の配当の事例を一部見てみましょう。

取引イメージ
  • 配当利回りの高い企業の例(ENEOS、ソフトバンク)

(例1)ENEOSの株価が450円/株、年間配当22円/株の場合
⇒100株購入した場合、45,000円の投資に対して、毎年2,200円の配当収入

(例2)ソフトバンクの株価が1,400円/株、年間配当が86円/株の場合
⇒100株購入した場合、140,000円の投資に対して、毎年8,600円の配当収入

  業績による減配や無配のリスクはありますが、基本的には毎年安定的にもらえるという点がポイントで、例えば、これら2銘柄を10年間保有していると配当だけで約10万円もらえることになります。

  • 税金が引かれて実際の手取り額はもう少し少なくなる点はご留意ください(なお、NISAという制度を利用している場合は非課税となります)
  • 例示の株価、配当は直近の株価や配当実績を参考に記載していますが、あくまで「例示」としてご理解ください
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「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の関係

会計士

最後に「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」との関係について説明します。

トレードオフの関係

配当を高くすることで株主としては「インカムゲインが」大きくなるという恩恵を受けることができますが、その分、会社からお金が出ていくことになるため、事業に使える金額が小さくなります。一方、配当をせずに会社の内部にお金をためておく(「内部留保」といいます)ことで、事業の拡大にどんどんお金を回すことができるので、会社としての大きな成長が見込めます

 そのため、高配当の会社は、低配当の会社に比べると事業の成長スピードがやや鈍化するため、「キャピタルゲイン(値上がり益)」が大きくなりづらく、一方、アメリカのamazon社のように無配(配当金をゼロにすること)として、事業の拡大にお金を振り向ける会社は、「キャピタルゲイン(値上がり益)」が大きくなりやすいという関係にあります(「トレードオフの関係」といいます)。

実際に、配当が支払われたタイミング(※)で、株価は一時的に下がることが一般的です。

正確に言うと、「配当落ち」という権利が確定したタイミングで株価が下がります。 

インカムゲイン、キャピタルゲイン
相談者

成長機会の大きい会社の場合は、インカムゲインに期待せず、将来の値上がりによるキャピタルゲインに大きく期待するという投資戦略もありそうですね。

本記事のまとめ
  • 「インカムゲイン」とは、資産から生み出される果実を継続的に受け取る収入のこと
  • 「キャピタルゲイン」とは、資産を売却することによって得られる収入のこと
  • 「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」はトレードオフの関係にある