「所得税」とは?
「所得税」というのは、個人の年収や事業のもうけに応じて、国に納める税金のことをいいます。
給与明細で控除されているのは、「源泉徴収」という仕組みによるもので、会社勤めの方は特に手続をせずに所得税を国に納めています。
「源泉徴収」って聞いたことありますけど、具体的にどのような仕組みなのかよくわかってないです。。というか、勝手に給料から税金が引かれているんですね。
所得税の納付について理解するために、まずは個人事業主等が行っている「確定申告」という仕組みについて解説します。
個人の「所得」については、給料以外にも様々な所得があります。詳細は以下の記事で解説をしていますので、あわせてご参照ください。
所得税納付の仕組み ~確定申告~
「確定申告」とは、自分の儲けや払うべき税金の金額を自分で計算し、税務署に報告することをいいます。1年間(1月~12月)のもうけを翌年の2月~3月に「確定申告」として税務署に報告する必要があります。
自分で計算するんですか。。「確定申告」ってとてもめんどくさいという話を聞いたことがあります。個人事業主になると確定申告が必要なんですね、、
個人事業主以外にも「確定申告」をするケースがあります。たとえば、「住宅ローン控除」や「医療費控除」の申請をする場合には、会社員の場合であっても確定申告が必要です。
「住宅ローン控除」「医療費控除」については、以下の記事もあわせてご参照ください。
「確定申告」の具体的な手続きについては、ここでは書ききれないため、国税庁のHPを参照とさせていただきます(不明点があれば、私に問い合わせていただいてもOKです)。
国税庁HP 所得税の確定申告
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm
「e-tax」という仕組みを使えば、パソコン上で申告手続きが可能です(マイナンバーカードとカードリーダーが必要です)。
所得税納付の仕組み ~源泉徴収・年末調整~
今度は、会社勤めの場合を解説します。大変ありがたいことに、会社勤めのケースの場合は、会社(人事)が代わりに税務署へ申告を行ってくれます。
え、そうだったんですか。
いろいろと「書類を出してください」とか、「期限までに入力してください」と言われて、人事の人って苦手だったんですが、そんなことをしてくれていたんですね。感謝です。
ん?でも、毎月の給料から勝手に天引きされているのであれば、申告する必要はないのではないでしょうか。
会社(人事)が給与天引きを利用して、代わりに税務署へ申告を行ってくれる制度のことを「源泉徴収」といいます。
「源泉徴収」で天引きされる金額は、昨年の収入等をもとに、今年はこれくらい納付が必要だろうという金額を税務署が計算していますが、これはあくまで予想の金額です。ただ、年収が昨年よりもあがったりして、実際の所得税の金額とは異なるケースが多いです。
そのため、年末(12月の給与)に正確な所得税の金額を計算して、払いすぎた分は還付(税金が戻ってくる)、足りない場合は追加で支払うといった手続を行っており、これを「年末調整」と呼びます。
たとえば、毎月給与から3万円の所得税を天引きされていた場合、1月~11月までに33万円分(3万円×11か月分)をすでに納付している(支払っている)ことになります。
年末に正確な所得税を人事が計算した結果、本当は年間で30万円しか払う必要がなかったことがわかった場合、12月の給与で「年末調整」として3万円が戻ってきます(手取りが3万円増えることになります)。
一方、年間で40万円の支払いが必要なことがわかった場合には、12月の給与で「年末調整」として差額分7万円が控除されます(手取りが7万円減ります)。
会社勤めの場合は、人事が手続をしてくれるので、とても楽なんですね。
また、「年末調整」という言葉は聞いたことあったのですが、年度末に所得税を再計算してくれていたんですね。
基本的には会社が行ってくれるのですが、「確定申告」をすることで節税をすることができるケースがいくつかあります。以下の記事もあわせてご参照ください。
「住宅ローン控除」「医療費控除」といった仕組みを利用することで節税が可能です。
会社勤めの場合は、なぜ源泉徴収されるのか?
いくつか理由がありますが、以下のような理由が考えられます。
- 納付手続きの簡素化のため
(会社員の場合、会社がまとめて手続きをすることが可能) - 税務署が確実に税金を徴収するため
(会社員は、給料の金額をがっちり税務署に握られているんです) - 納付の心理的負担の軽減のため
(1年分をまとめて納付すると負担が大きいので、毎月少しずつ納付することで心理的負担を軽減)
給与明細を見ると、「所得税」という金額が引かれて、手取り金額が小さくなっているのですが、どういった仕組みなのでしょうか。