(図解)簡単に理解できる「ブロックチェーン」の概要 ~ビットコインとは~
【難易度★★★☆☆】

相談者

最近「ビットコイン」への投資が盛り上がっているようですが、「ビットコイン」とはなんでしょうか。なんだか怪しい気がするのですが、、

会計士

「ビットコイン」は「投機」の側面がある投資対象なので、慎重な投資判断が必要です。ただし、「ビットコイン」自体は仕組みを理解してしまえば、怪しいものではありません。

「ビットコイン」について理解するために、その前提となる「ブロックチェーン」という内容について解説を進めていきます(ビットコイン投資については別途解説予定です)。

「ブロックチェーン」とは

ブロックチェーンとは

「ブロックチェーン」とは、ブロック単位のデータをチェーン状に記録をしていく技術のことをいいます。「ブロックチェーン」は、あくまで「技術」のことを指しています。本記事では「ブロックチェーン」の特徴である以下の2点をおさえていきましょう。

  1. 分散型台帳技術
  2. チェーン状のデータ構造

また、「ビットコイン」とは、「ブロックチェーン」の技術を利用した仮想通貨のことをいいます。ビットコインは、サトシ・ナカモト氏(詳細は不明で、日本人かどうかも不明)という人物が、2008年にそのコンセプトをネット上の論文で発表し、世界中に広まった仮想通貨です。

相談者

なんのことだかさっぱり分かりません。。

会計士

ですよね。。図を使いながらイメージをつかんでいきましょう。

分散型台帳技術

まず、おさえてほしいのが「分散型台帳技術」という考え方です。従来は、管理者が運用・管理する「中央集権型」の取引やネットワークシステムが採用されていました。たとえば、ネットバンキング(ネット銀行)の口座でいうと、銀行が「管理者」として、各当事者の預金残高や取引残高を運用・管理しているようなイメージです。

一方、ブロックチェーンは、「分散型台帳技術」という仕組みにより「みんなで」データを運用・管理するという特徴があります。新しい取引を記録する場合には「みんなで」確認して取引を記帳することになるため、信頼性の高い情報が記録されることになります。また、参加者同士が管理者を通さずに直接的に取引をすることも可能です。さらに、データを分散し「みんなで」管理しているため、あるサーバが被害を受けた場合であっても他のサーバからデータを復旧することが可能です。

ブロックチェーン
ブロックチェーン
チェーン状のデータ構造

次に「チェーン状のデータ構造」という考え方について理解をしましょう。「ブロックチェーン」では、各データを「ブロック」と呼ばれる塊に記録し、これが「チェーン」状に時系列につながれています。

具体的には、各ブロックに「ハッシュ関数」や「ナンス値」と呼ばれる情報を持たせており、これらのデータを利用して各ブロックをチェーンで繋げています。少しややこしい用語ですが、これらのデータは書き換えることが非常に困難であるため、次のブロックに一度チェーンで繋がれたブロックは、その後書き換えられることがないという大きなメリットがあります。先に解説したように「分散型台帳技術」をとっていることからも、各参加者が記録しているすべてのデータを書き換えるのは事実上不可能と言えます。

ブロックチェーン
ブロックチェーン]
ハッシュ関数とナンス値

「ハッシュ関数」「ナンス値」については、詳細に理解する必要はありませんが、簡単に仕組みを補足させていただきます。まず「ハッシュ関数」ですが、入力されたデータに対して適当な値を返してくれる関数のことをいいます。たとえば、「あいうえお」というデータと「あうえお」という微妙に文字が異なるデータを入力すると、全く異なる値が返ってきます。

また、「ナンス値」は「number used once」の略称で、使い捨ての数値のことを指します。これ自体に大きな意味はないのですが、ナンス値が変わると「ハッシュ関数」が変わってしまうことから、これらの連携によってブロック状のデータがチェーンとして連携されるというイメージを持っていただければOKです。

ブロックチェーン

「ブロックチェーン」の強み・弱み

会計士

上記の2点の特徴を踏まえて、「ブロックチェーン」の強み・弱みについて整理をさせていただきます。

ブロックチェーンの強み
  • 過去のデータの改ざんがほぼ不可能(=データの信頼性が非常に高い)
  • 参加者が直接的に取引をすることができる(=間に管理者を挟む必要がない)
ブロックチェーンの弱み
  • みんなで確認して取引を処理するため、処理速度が遅い
  • ブロックが蓄積されていくため、データ量が多くなる
相談者

なるほど。信頼性の非常に高いデータベースをみんなで作り上げるようなイメージですね。様々な用途に使えるような気がしてきました。

「ブロックチェーン」の応用事例

会計士

最後に「ブロックチェーン」をどのように応用することができるのか、事例をご紹介したいと思います。

ブロックチェーンの応用

結局ブロックチェーンを使うとなにができるようになるのかというと、「透明性があり、効率性の高い社会」の実現に貢献することができるのではないかと言われています。具体的には、以下のような用途での活用が検討されています。

  • 仮想通貨(ビットコイン)
  • 電子契約(スマートコントラクト)
  • 物流管理の効率化

以下のサイトで事例がよくまとめられているので、あわせてご参照ください。

https://qeee.jp/magazine/articles/9613

ブロックチェーン
相談者

将来の社会インフラにとって重要な役割を果たしていく可能性がありそうですね。

本記事のまとめ
  • 「ブロックチェーン」とは、ブロック単位のデータをチェーン状に記録をしていく技術のこと
  • 「分散型台帳技術」「チェーン型のデータ構造」が特徴であり、改ざん不能なデータベースを構築することが可能
  • 「透明性があり、効率性の高い社会」の実現に貢献すると考えられる