(図解)簡単に理解できる「適正株価の見抜き方」 ~PBR~
【難易度★★☆☆☆】

「PBR」とは?

相談者

前回の記事で、株を持つということは「会社の所有者になる」ということが良くわかりました。

また、高値で株を購入すると損をするリスクがあることもわかりました。では、どのようにすれば「適正な株価であるか」を見抜くことができるのでしょうか。

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「株を保有すること=会社の所有者になる」という点については、以下の記事もあわせてご参照ください。

会計士

適正な株価かどうかを判断することは非常に難しいです。ただし、「相場」をつかむことは比較的簡単にできます。みなさんも日常生活で買い物する際には、「相場」をもとに購入の判断をされると思いますが、株も同じような考え方ができます。

例えば、レタスであれば100円~200円くらいが相場だなといったような感覚です。ここでは株の「相場」を判断するのに代表的な指標である「PBR」「PER」という指標について、解説をしていきます(本記事では、「PBR」のみを解説し、以下の記事で「PBR」を解説をしています)。

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PBRの計算式

「PBR」は、以下の式で計算することができます。

PBR(株価純資産倍率)= 株価÷1株あたりの株主資本

「PBR」は「Price Book-value Ratio」の略です。

会計士

式だけ見るとよくわからないと思いますので、実際の事例を見てみましょう。

株主資本とは

まずは、株主資本(≒解散価値)という概念について学習します。非常にシンプルなケースですが、例えば、10億円の建物を所有しており、株主からの出資が6億円、借金が4億円ある会社をイメージします。そうすると、「BS」は以下のとおりになります。

この状態で会社が解散(事業を終了)した場合には、建物を10億円で売却し、入ってきたお金で借入金4億円を返済し、残った6億円を株主全員で分けることになります。ここでいう6億円を株主資本(≒解散価値)といいます。これは、株主にとっての「正味の財産」を意味します

株主資本とは、解散価値とは
相談者

なるほど。たとえば、トヨタが来年で解散するとした場合、トヨタが持っている工場や商品を全部売却して、借金を返済して、残ったお金を株主で山分けするということですね。実際にはあまりイメージできないですが、、

会計士

そういうことです。あくまで仮定の話ですが、「株主資本」とは、解散した場合の山分け財産の価値というイメージです。

次に、「PBR」の計算を実際に見てみましょう。先ほどの会社が1,000,000株を発行していたと仮定します。その場合、「株価」はいくらになるでしょうか。

相談者

6億円の価値がある会社を1,000,000株で山分けする権利と考えられるので、1株あたり600円(6億円÷1,000,000株)ですか?

会計士

基本的な考え方はそれでOKです。ただし、これは1株あたりの株主資本」の金額になります。「1株あたりの株主資本」と「実際の株価」の違いを解説していきます。

1株あたり株主資本=株価?

実際の「株価」はその会社の将来性をもとに取引がされるので、600円とはなりません。将来的に儲かりそうな会社であれば、600円より大きくなりますし、場合によっては600円を下回るケースもあります

たとえ話ですが、一般的に数百円程度で取引されるチョコレートも、高級なものであれば、5,000円を超えることがあるのと同じで、本当に価値があるものであれば、「相場」よりも高値で取引されることがあります。

相談者

「1株当たりの株主資本」と「株価」は別物なんですね。

適正な「PBR」はどのくらい?

「PBR」の計算シナリオ

先ほどの会社を例に「PBR」の計算を複数のシナリオで見ていきましょう。

仮に株価が3,000円であった場合、PBRは、

PBR = 3,000円(株価)÷600円(1株当たりの株主資本)=5倍 となります

一方で、株価が600円であった場合

PBR = 600円(株価)÷600円(1株当たりの株主資本)=1倍 となります

さらに、株価が300であった場合

PBR = 300(株価)÷600円(1株当たりの株主資本)=0.5倍 となります

PBRとは
相談者

あれ、解散したら600円がもらえるはずなのに、株価が300円になるということがあるんですか!?

会計士

そうなんです。なので、「1倍」を切っている場合には、株価が割安な可能性があります。

「PBR」の目安は「1倍」

「PBR」は、「1倍」というのが1つの目安となります。驚くべきことに日本を代表するような商社、銀行、自動車会社等の株価が「PBR」が「1倍」を下回っているということがザラにあります。そのため、日本株は割安であるとみる専門家、投資家もいます

ただし、「BS」に計上されている資産が不良債権を多額に含んでいる、外部に売却できないような陳腐化した資産を計上しているといった様々な要因により、「PBR」が「1倍」以下になることが妥当というケースも多々ありますので、あくまで目安として捉えてください。業種による比較も非常に有用です

相談者

なるほど。「PBR」が1倍の場合には、割安の可能性があるということですね。
「PBR」を確認して投資をしてみようと思います。

会計士

そうですね。ただ、これは1つの指標にすぎないので、「PER」や「決算書(BS、PL、CF)」もあわせてみながら総合的に判断する必要があります。「PER」、「決算書」については、以下の記事で解説していますので、こちらもあわせて読んでみてください。

相談者

「PBR」については、少しずつ分かってきた気がします。
「PER」や「決算書」についてもあわせて勉強しようと思います。

本記事のまとめ
  • PBR(株価純資産倍率)」= 株価÷1株あたりの株主資本
  • 「株主資本」とは、企業の解散価値(資産ー負債)のことをいう
  • 「PBR」が「1倍」未満の場合には、解散価値を下回ることとなり、割安の可能性がある