(図解)簡単に理解できる「投資信託」の仕組み ~ぼったくりに注意~
【難易度★★☆☆☆】

会計士

今回は投資商品の1つである「投資信託」について、解説を進めていきます。

投資初心者の方にとっては、安心して投資ができるイメージがあるかもしれませんが、購入する際に注意が必要な商品なので、しっかりと特徴を理解をしていきましょう。

「投資信託」とは

投資信託

「投資信託」とは、投資家から集めたお金を元手に運用の専門家が投資・運用を行い、得られた成果を投資家に分配する金融商品のことです。

購入する側からみると、いわゆるパック商品のようなイメージで、運用の専門家が選んだ商品をパックで購入することのできる商品です。たとえば、特定の国の優良企業の株式に分散して投資をする商品や、債券を中心に投資をする商品、REITと呼ばれる不動産の投資信託もあります。ただし、そこには「手数料」がかかるので、しっかりと仕組みを理解をすることが重要です。

相談者

私は投資の知識がないので、プロにお任せできるというのはなんだか良さそうですね。

会計士

そのような考え方は少し危険です。あまり大きな声では言えないですが、いわゆる「ぼったくり」のような商品も多いので気をつけましょう。

相談者

え、そうなんですか。それはなぜでしょうか。

会計士

ポイントは「手数料」です。まずは、投資信託のメリット、デメリットについて理解を進めていきましょう。

投資信託

「投資信託」のメリット・デメリット

投資信託のメリット
  • 分散投資が可能
  • 少額から投資が可能
  • 運用をプロに委託することができる
相談者

なんだか良い商品のように見えるのですが、注意が必要と言われるのはなぜでしょうか。

投資信託のデメリット
  • 様々な手数料が生じる(儲かっても、損しても手数料は取られる)

繰り返しになりますが、1番のポイントはさまざまな「手数料」がかかるという点です。少し違和感があるかもしれませんが、運用が失敗して、購入者が損をしたとしても、ファンドマネージャー(運用のプロ)には報酬が支払われます(「商品選定の知恵を貸している」とったような名目です)。逆に、運用が成功して購入者が儲かった場合には、「成果報酬」という名目で手数料が追加でかかる可能性があります。

そのため、少し乱暴な言い方ですが、「投資信託」の中には、手数料を利用した「ぼったくり」的な商品も多いので、気を付けてください。特に、複雑な商品ほど「ぼったくり」の可能性が高く、無駄な手数料を取られてしまう可能性があります。一方、インデックスファンドのようなシンプルな商品の方は、手数料が小さく「ぼったくり」の可能性が低いです。そのため、なるべくシンプルで透明性の高い商品を購入することをおススメします。

「元本割れのリスク」というのもありますが、これは株式や債券へ投資する以上は、当たり前のリスクですので、「投資信託」のデメリットとしては記載していません。

結局、買うべきなの?

会計士

個人的な見解としては、無駄な「手数料」を払うことは避けたほうが良いと思っています。そのため、ある程度の投資資金があるのであれば、可能な限り自分でポートフォリオを作って運用することをおススメします

ただし、インデックスファンドのような手数料の少ない商品は、「分散投資」の観点からありだと思います

インデックスファンド

「インデックスファンド」とは、日経平均株価、ダウ、ナスダック、S&P500といった、経済指数に連動する投資信託のことです。

要は景気に連動する商品のイメージです。これらの指標は、複数の企業の株価を基に算出されるため、「自然と分散投資されている」という点で安心感があります。また、インデックスファンドの場合は、機械的な投資手法になるため、ファンドマネージャーに対する手数料があまりかからないことも大きなメリットです

投資信託
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日経平均株価、ダウ、ナスダック、S&P500といった「経済指標」については、以下の記事もあわせてご参照ください。

相談者

なるほど。機械的に運用するのであれば、分散投資に対する手数料のみなので、手数料があまりかからないということですね。

一方で、複雑な投資信託ほど、プロの運用スキルに対する手数料がかかるイメージですね。

美味しい話にはワナがある

プロに対して手数料を払う場合であっても、「必ず儲かる投資」というものがない以上、いくらプロが運用をしたとしても、一般の方が投資をするのと同様に損をする可能性があるという点は、十分に理解しておく必要があります。

色々とややこしい理由をつけて儲かるだとか、リスクが少ないといった説明している商品は、まず疑ってかかることが大事です。基本的には「ローリスク・ローリターン」「ハイリスク・ハイリターン」が原則ですから、「ローリスク・ハイリターン」を謳っているような商品には特に注意しましょう。

また、「ハイリスク・ハイリターン」を謳っている商品の中には、実は「ハイリスク・ローリターン」のような商品が混ざっていることもあるので、注意しましょう。最悪なのは、手数料だけが高い「ハイコスト・ローリターン」のような商品です。

投資信託
相談者

美味しい話にはワナがあるということですね。気をつけます。

投資信託

すべての「手数料」が良くないというのではなく、プロが運用することで、通常では得られないようなリターンを狙えるような投資信託もありますので、注意をしながら見極めていくことが重要です

本記事のまとめ
  • 「投資信託」とは、投資家から集めたお金を元手に運用の専門家が投資・運用を行い、得られた成果を投資家に分配する金融商品のこと
  • 少額から分散投資ができるといったメリットがある(特にインデックスファンドがおすすめ)
  • 手数料が生じる点は注意が必要(特に複雑な商品ほどぼったくりの可能性が高い)