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「PER」とは?
「株を保有すること=会社の所有者になる」という点については、以下の記事もあわせてご参照ください。
適正な株価かどうかを判断することは非常に難しいです。ただし、「相場」をつかむことは比較的簡単にできます。みなさんも日常生活で買い物する際には、「相場」をもとに購入の判断をされると思いますが、株も同じような考え方ができます。
例えば、レタスであれば100円~200円くらいが相場だなといったような感覚です。ここでは株の「相場」を判断するのに代表的な指標である「PBR」「PER」という指標について、解説をしていきます(本記事では、「PER」のみを解説し、以下の記事で「PBR」を解説をしています)。
「PBR」については以下の記事で解説をしています。
「PER」は、会社の儲け(利益)と株価の比率を比べた指標になります。
「PER」は、以下の式で計算することができます。
PER(株価収益率)=株価÷1株あたりの利益
「PER」は「Price Earnings Ratio」の略です。
まず、「1株当たりの利益」について理解を進めましょう。具体例を見ればすぐに理解ができると思います。
たとえば、1,000,000株発行している会社が利益の4,000万円を出しているケースを想定すると、「1株あたりの利益」は4,000万円÷1,000,000株=40円となります。
私が出資した1株が毎年40円の利益を生み出していて、もし100株持っている場合には、4,000円の利益分の価値があるということですね。
適正な「PER」はどのくらい?
そのとおりです。では、先ほどの例を使って「PER」の計算を複数のシナリオで見ていきましょう。
仮に株価が3,000円であった場合、
PER = 3,000円(株価)÷40円(1株当たり利益)=75倍 となります。
一方で、株価が600円であった場合、
PER = 600円(株価)÷40円(1株当たり利益)=15倍 となります。
さらに、株価が300円であった場合、
PER = 300円(株価)÷40円(1株当たり利益)=7.5倍 となります。
「PER」は一般的に15倍が目安とされていますが、業種によってばらつきがあるという特徴があります。また、「利益」という性質上、「PBR」と比べ、年による変動性が大きい点も特徴です。そのため、一時点の「PER」を見るのではなく、一定期間の「PER」を並べてみることをおススメします。
なるほど。こちらは「15倍」が一つの目安になるんですね。年による変動性が大きいというのはどういうことでしょうか。
先述した「PBR」の計算要素である「株主資本」が大きく変動することが少ないのに対して、「PER」の計算要素である「利益」は年によって大きく変動する可能性があります。
たとえば、ソフトバンクグループのような会社の利益を見ると、年によって大きく黒字になったり、大きく赤字になったりしています(利益が安定している会社も多くあります)。そのため、「PBR」「PER」の組み合わせによって株価を見極めることが重要です。
余談ですが、アメリカのテスラ社の「PER」は約1,000倍(2021年2月現在)と、とても大きい数字になっています。これは、テスラ社が将来的にドル箱とみて、現状の利益水準に比べて株価が高くなっている状態であり、テスラ社の所有者となる権利をみんなが欲しがっていることを意味します。
1,000倍ですか。目安が15倍と言っていたので、とても割高に見えますね。私のような初心者には投資できない銘柄ですね。
リスクを抑えるという観点では、初心者の方には手を出すのが難しい銘柄だと思います。将来的にどんどん儲かるのであれば、そのような「会社の所有者になる権利」である株をみんなが欲しがるのは当然です。毎年、配当で儲けられますからね。
まずは安全な銘柄を選んで投資することにします。
話がそれますが、儲かっていても、あえて配当をしない会社もあると聞いたことがあります。そのような場合でも投資することに意味はあるのでしょうか。
Amazonのような会社が典型例ですね。配当(インカムゲイン)がない場合、企業に内部留保される資金が多くなり、その分キャピタルゲインを得られる可能性があがるので、そのような場合でも投資をする意味は十分にあります。
内部留保、キャピタルゲイン、またわからない言葉がたくさん出てきました。。
余計な質問するんじゃなかったです。
これらの用語についても解説をしていますので、右上の検索画面から解説記事を読んでみましょう。
「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」については、以下の記事もあわせてご参照ください。
「15倍」といわれてもあまりピンと来ないかもしれませんが、イメージを掴むうえでは、「15年」と読み替えても良いかもしれません。
1株あたりの利益が100円である会社のPBRが「15倍」ということは、その会社が15年にわたり100円の利益を出し続けると評価されているというような意味合いを持ちます(厳密にはイコールではないですが、イメージとして捉えればOKです)。
「PBR」や「決算書」についてもあわせておさえておきましょう。
前回の記事で、株を持つということは「会社の所有者になる」ということが良くわかりました。また、高値で株を購入すると損をするリスクがあることもわかりました。では、どのようにすれば「適正な株価であるか」を見抜くことができるのでしょうか。