会社員は、節税方法が限られているというお話もありましたし、あまり会社員のメリットというものを実感できていないんですが、、
フリーランス、会社員の「節税方法」については、以下の記事をあわせてご参照ください。
そうですね。たしかに、節税手段はフリーランスと比べて限られているのですが、フリーランスになって初めて気づく会社員のメリットというものがいくつかあります。今回は代表的な3つの内容について解説を進めていきます。
Contents
社会保険・年金の話
まず、社会保険、年金についてですが、会社員とフリーランスで利用する制度が異なります。
会社員時代は「健康保険」および「国民年金」「厚生年金」という制度を利用していました。一方、フリーランスになると、「健康保険」が「国民健康保険」という制度に変わるのと、「厚生年金」がなくなり、「国民年金」のみとなります。
名前が変わるだけでしょうか?
いえ、保障の内容も変わってきます。
会社員の「健康保険」には、様々な保証が含まれています。一方、「国民健康保険」には、雇用保険や労災保険が含まれておらず、扶養制度や出産手当、傷病手当といったものもありません。
また、年金についても、会社員の場合には「国民年金」に加えて、「厚生年金」という2階建て相当分の年金があります。一方、フリーランスの場合には、1階建て相当分の「国民年金」のみしかありません。
遺族障害年金、高額医療費制度などでも差が出てきます。
年金については、いわゆる2階建て部分と呼ばれる「厚生年金」がなくなり、「国民年金」のみとなるので、将来もらえる金額が少なくなるということです。
会社員は、保障が手厚い分、給料から多く引かれているんじゃないですか?
たしかに、保証が手厚い分、支払額も多くなるという点はご指摘のとおりです。ただし、会社員の場合は、その一部を会社が負担してくれているので、支払額としては、会社員よりもフリーランスの方が大きくなることが一般的です。
そうなんですか。フリーランスは、支払額が多いうえに、保証も少ないんですね(泣)
社会保険については、「国民健康保険組合」という制度を利用することによって保険料を抑えたり、年金については、「iDeCo」のような制度を利用することによって手厚い自分年金を作ることも可能です。
「iDeCo」については、以下の記事をあわせてご参照ください。
手続が面倒になる話
次に税金等の手続関連について解説をします。ここについては、みなさんご承知と思いますが、フリーランスになると手続関連はすべて自分で対応する必要があります。
それは覚悟していました。。どのくらいの負担があるのでしょうか。
まず、先ほどお話しした社会保険、年金についてですが、いままでは会社が給料から天引きしてくれていたところを自分で全額を納付する必要があります。
また、所得税についても、会社が「源泉徴収」や「年末調整」をしてくれていたところを自分で「確定申告」し、納付する必要があります。
次に、住民税ですが、計算自体は「確定申告」を基に各自治体で行ってくれますが、「納付」については、「普通徴収」として自ら納付する必要があります(会社員の場合は「特別徴収」という天引き制度が使える)。
「所得税」の仕組みについては、以下の記事をあわせてご参照ください。
また、「住民税」の納付については、以下の記事をあわせてご参照ください。
フリーランスの場合は、これらの手続を自ら行う必要があります。
今までは会社がいろいろとやってくれていたんですね。
退職金に関する話
これもみなさんご承知かと思いますが、会社員と違ってフリーランスの場合には「退職金」がありません。
これも覚悟をしていたところではありますが、会社員の場合には、通常の手取り以外にも、見えないお金を色々ともらっていたんですね。
年金と同じように「小規模企業共済」という制度を利用することによって自分で退職金を作ることも可能です。先ほど出てきた「iDeCo」や「小規模企業共済」については、「経費」に計上することが可能ですので、「節税」対策としても有効です。
「iDeCo」については、以下の記事をあわせてご参照ください。
会社員の場合は、在籍中の手続き等から、退職した後のお金のことまですべて面倒を見てくれていたんです。至れり尽くせりという感じですね。
仕事をしていると嫌なことも多いですが、会社員のメリットを考えると辞めるのはなかなか勇気がいりそうです。
日本の終身雇用制度はいつまでも続かない可能性がありますし、いざとなったときに自分でなんでもできるようにしっかりと勉強していくということが大事になってくると思います。
フリーランスになることで得られるメリットも大きいですしね。
「フリーランス」に関するお金の知識は以下の記事をあわせてご参照ください。
前回の記事では、フリーランス(個人事業主)には様々な「節税」の手段があることをお話しました。一方で、会社員にも様々なメリットがあるということを今回は解説していこうと思います。