公認会計士までの道のり
まずは、公認会計士として登録するまでの全体像を見ていきましょう。公認会計士になるためには、大きく3つの試験に合格する必要があります。
あれ、試験は2つということを聞いたことがあるのですが。。
「公認会計士試験の合格」という文脈では1次試験と、2次試験の合格までを意味することが多いです。最後に待ち受けている3次試験は、実務家向けの試験という位置づけで、監査法人等に勤務しながら受ける試験です。
そのため、2次試験までをクリアすると、そこから監査法人等での実務家としてのキャリアがスタートします。 それでは、1つ1つの試験の中身を見ていきましょう。
「公認会計士試験」に関しては、以下のサイトが非常によくまとまっているので、あわせて見ることをおススメします(私も一部の記事を監修させていただいております)。
資格合格「シカパス」
短答式試験(1次試験)
「短答式試験」は「最初の関門」となりますが、個人的には1番ハードルの高い試験だと思っています。年に2回(5月、12月)実施をしていて、いずれかで合格すると、8月の論文式試験を受けることができるようになります。
試験は「マークシート形式」で、4科目(財務会計、管理会計、企業法、監査論)の合計500点(※)で競うことになります。ただし、1つの科目で40%未満の場合には、足切りとなるので留意が必要です。
なお、合格率は約5%~15%程度となっています。
「財務会計」のみ200点、それ以外は各100点です。
なお、「短答式試験」の合格から3年以内に「論文式試験」に合格できなかった場合、改めて「短答式試験」から受験をすることが必要となります。
論文式試験(2次試験)
次に「論文式試験」ですが、こちらは年に1回(8月)のみ実施しています。短答式が1日で終わるのに対して、論文式試験は3日間の試験となります。
試験は「論述式」で、5科目(監査論、租税法、会計学(財務、管理含む)、企業法、選択科目)の合計700点(※)で競うことになります。
なお、合格率は約35%程度となっています。
「会計学」のみ300点、それ以外は各100点です。
選択科目というのはなんですか?
「選択科目」は、以下の4つから好きなものを選択して受験することができます。
- 経営学
- 経済学
- 民法
- 統計学
「経営学」を選択する人が1番多いです(勉強時間が1番短いと言われてるためです)。
無事に2次試験に合格をすると、「試験合格者」として、監査法人等で実務家としてのキャリアがスタートすることになります。
修了考査(3次試験)
「修了考査」は、実務家向けの試験のため、詳細は割愛しますが、概要について少し解説をします。
最後の関門である「修了考査」は、働きながら試験に向けて2~5か月ほど勉強することになります。ちなみに、監査法人に勤務している方であれば直前期に1か月ほど「試験休暇」というものをもらえます(これが逆にプレッシャーになるという説もあります)。
なお、修了考査を受けるためには、「実務補修所」という合格者のための学校のようなものに通い、一定の単位をとる必要があります(これに約3年かかります)。「実務補修所」では、定期的にテストがあったり、課題論文があったりと、会社で働きながら、大学の単位をとるようなイメージです。監査法人勤務であれば、補修所を優先し、早めに帰宅をさせてもらったりといった配慮があることもあります。
無事に修了考査に合格し、かつ、実務要件(2年以上)を満たすことで、「公認会計士」として登録することができます。公認会計士のバッジも手にすることができ、ようやく1人前の会計士です。
社会人になってからも勉強が必要なんですね、、
そうですね。長い道のりですが、まずは短答、論文式試験に合格するところが1つの大きなヤマです。公認会計士となるためには、時間も努力も必要にはなりますが、その分価値のある資格だと思っています。
周りの会計士の話を聞いていていると、試験に合格することで、1つの「成功体験」をすることで自信がついたという意見をよく聞きます。会計に関する知識が身につくことはもちろんですが、それ以外にも得るものが大きな試験だと思います。
さらに、公認会計士資格を持っている人は、試験等を受けることなく、「税理士」や「行政書士」としても登録することが可能です。
「税理士」や「行政書士」も一緒にとれるんですか!「公認会計士・税理士」という肩書が多いのは、そのためなんですね。
公認会計士を目指そうと考えています。公認会計士になるためには、どのような試験を受ける必要があるのでしょうか。