「日経平均株価」とは?
「日経平均株価」とは、日本経済新聞社が東証1部に上場する企業の中から業種等のバランスを考慮して選んだ、日本を代表する225社の平均株価のことをいいます。
日本市場の景況感を判断する1つの指標として使われ、日経平均があがっていれば日本市場は好調、さがっていれば日本市場は不調といった見方をすることができます。
「日経225」と呼ぶこともあります。また、海外では「Nikkei(ニッケイ)」と呼ばれます。
225社と言っても多いのか少ないのかあまりピンと来ないですね。
日本には、東証1部に上場している企業だけでも約2,200社いますので、会社の数として多くはないです。
ただ、日本を代表するような企業がセクター別にバランスよく選定されているので、日本市場の動向を測るには有用な指標となっています。
「東証1部」「証券取引所」については、以下の記事も合わせてご参照ください。
採用銘柄の一覧、業種別の騰落寄与度ヒートマップを以下のページで見ることができます。
採用されている会社の一覧を見てみましたが、有名な会社ばかりですね。
そうですね。日本の相場をあらわすような「選抜メンバー」で構成されており、銘柄は定期的に見直されることとなっています。
直近でいうと、キーエンス、村田製作所、任天堂といった銘柄が新たに選抜メンバーに加わっています。
選定銘柄は、原則として年に1回(10月初め)に定期的に見直しが行われます。
流動性(その会社の株式に関する取引が活発に行われてるか)やセクター間のバランス等を見て銘柄の選定が行われます。また、採用銘柄の上場廃止等があった場合には、臨時的に入れ替えが行われることもあります。
他にも東証の株価に連動する指標として「TOPIX(東証株価指数)」という指標があります。
こちらは東証1部上場の全銘柄を対象とした指数で、1968年(昭和43年)1月4日の時価総額を100として計算されるものです。
「日経平均株価」の相場感
「日経平均」はだいたいどれくらいの水準だと低い、高いといった判断ができるのでしょうか。
一概にいくらだと低い、高いといったことを言うのは難しいのですが、過去の水準を見ることで相場感を掴むことはできます。
以下のグラフは長期的な日経平均の増減を示したグラフですが、世界の情勢によって大きく株価が動くことがわかります。
上記グラフは以下のページより引用させていただいております。
社会実情データ図録
http://honkawa2.sakura.ne.jp/5075.html
1989年あたりが一番大きくなっていますね。
そうですね。いわゆる「バブル期」と呼ばれている、実体経済以上に株価が上昇していた時期ですね。
ひとつの参考になる数字として、「30,000円」という水準に着目をしてみましょう。2021年は、バブル期以来はじめて「30,000円」に近付いているのがわかります(実際、30,000円を超えたタイミングもあります)。
なるほど。ということは、今は「バブル」なんでしょうか?
そのように言われることもありますが、一概にバブルかどうかは判断できません。
順調に日本の経済が成長しているのであれば、日経平均は上昇を続けますから、30,000円を超えたから高すぎるということはありません。
なるほど。日経平均だけを見て、株価が高いか低いかを判断することは難しいのですね。
そうですね。専門家によっても現在の水準が実体経済と比べて高いのか、低いのかといった点は意見が分かれています。
ただ、日経平均が上昇しているということは、景気が良くなってきているという社会の風潮があるんだなくらいに捉えていただければと思います。
金利、為替等の様々な社会情勢によって株価は変動するので、「日経平均」だけを見て景況感を判断することは難しいです。
今回の上昇についても、金融緩和(政府によるお金のばらまきのようなこと)によって上昇しているだけで景気自体は良くないとする見方もあります。
「ダウ平均」「S&P500」「ナスダック」とは?
「ダウ平均」「S&P」「ナスダック」といった言葉も一緒に聞くことが多いのですが、これらはなんでしょうか。
いずれもアメリカの「日経平均」のようなもので、それぞれ以下のような指標です。
ダウ平均
「ダウ平均」とは、米国経済を代表する30銘柄の平均株価を指数化した指標のことをいいます。
Apple、マクドナルド、ボーイングといった米国を代表する超選抜銘柄で構成されています。「NY(ニューヨーク)ダウ」「NY平均株価」と言われたりすることもあります。
「NY(ニューヨーク)」の名前の由来は「ニューヨーク証券取引所」から来ています。
ダウ平均は、厳選された30社だけなんですね。
そうですね。多少の偏りが出る可能性もあるので、NASDAQ等の他の指標とあわせて見るのがおススメです。
S&P500
「S&P500」とは、米国の代表的な500銘柄の平均株価を指数化した指標のことをいいます
ダウ平均には含まれていないGoogle、Amazon、Facebookといったアメリカを代表する企業も銘柄として含まれています。S&P500は時価総額をベースに組み入れ比率が変わってくるため、今アメリカで勢いのある企業が含まれる指標となっています。
こちらは、日経平均より多い500社の平均株価なんですね。
そうですね。次に紹介するNASDAQもそうですが、会社の数以外にもそれぞれ特徴があるので、組み合わせて見ることが重要です。
「ダウ」と「S&P500」の違いについては、以下のページが参考になります。
Nikko Asset Management HP
https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/kihon/kihon11
「S&P500」に連動する投資信託商品が人気となっています。
「S&P500」の指標に連動して価値が決まる商品のため、アメリカを代表する企業500社に万遍なく少額投資するのと同じメリットを得ることができます。
成長市場であるアメリカ市場において、安全に資産を増やしていく商品として非常に魅力があると思います。
「投資信託」については、以下の記事も合わせてご参照ください。
ナスダック(NASDAQ)
「ナスダック」とは、National Association of Securities Deals Automated Quotationsの略で、アメリカの株式市場の1つのことです。
また、「ナスダック総合指数」とは、 ナスダック市場に上場する全ての銘柄を時価総額加重平均で算出した指標のことをいいます。
世界最大のベンチャー企業向けの市場であり、日本でいうところの「JASDAQ」「マザーズ」のような市場です。なお、日産や任天堂などの日本企業もナスダックで上場をしています。
日経平均やダウ平均と異なり、ナスダック市場に上場する全ての銘柄を使って計算している点が大きな特徴です。
なお、ナスダック市場の時価総額は、東証に上場している企業の時価総額よりも大きく、ベンチャーといえど相当な市場規模となっています。
なんと。。さすがアメリカ。規模が違いますね。
よく「日経平均株価」という言葉をニュースで耳にするのですが、どのような指標なのでしょうか。