(図解)簡単に理解できる「IFRS」の概要~IFRS(国際会計基準)ってなに?~
【難易度★★☆☆☆】

「IFRS」とは?

相談者

前回の記事で「IFRS」という会計基準の話がありましたが、「IFRS」とはなんですか?

IFRSとは

「IFRS」とは、「IASB」という団体が作成した「グローバルな会計基準」のことをいいます。イギリスで作成された会計基準で、EU圏内の上場企業では、「IFRS」を適用することが強制されています。また、そのほかの国々でも適用が進んでいる会計基準なのですが、日本では「任意適用」となっています(2021年2月現在)

「イファース」「アイファース」「アイエフアールエス」と呼ばれます。

「IFRS」は、International Financial Reporting Standardsの略です。

「IASB」は、The International Accounting Standards Boardの略です。

相談者

「グローバルな会計基準」。。どういうことでしょうか。

会計士

もう少し解説を進めます。
従来は、各国ごとに会計基準が作成され、各国の企業にそれらの会計基準が適用されていました。そのため、企業が同じような取引を行っていても、国によって作成される決算書の数値が微妙に異なってくるという状況がありました。

レジェンド問題

非常に悔しいことに2000年前後には、「日本の会計基準の品質が高くない」と海外から指摘され「この決算書は日本基準にしたがって作られています」という説明文(注意書き)を記載するよう求められていました。現在は、日本の会計基準の品質が高まっているため、このような説明文(注意書き)を求められことはありません。

相談者

そんなことがあったんですか!
たしかに、国によって会計基準が違うと、決算書を読む側からすると困りますね。決算書を比較しようと思っても、会計基準によって数値が変わってくると、比較がしづらいですよね。。

IFRS
会計士

そうですね。そこで出てきたのが「IFRS」を「グローバルな会計基準」として、各国で統一した会計基準を利用しようという動きです。

「IFRS」適用の動向

会計士

「IFRS」の適用に関する動向ですが、将来的に各国で会計基準を統一しようという動きがあるものの、日本や米国では「IFRS」を適用することを強制するという段階までは進んでいません

これは各国の会計基準間で折り合いがつかない項目がいくつかあるためです。

少し専門的な話になりますが、のれんの償却に関する会計処理、OCIのリサイクリングに関する会計処理等については、日本基準と「IFRS」で見解が分かれるポイントとなっています。

IFRS
相談者

なるほど。お互いの主張があるため、どちらの会計基準が一概に正しいとは言えないのですね。

IFRS
会計士

そうですね。また「IFRS」で決算書を作成するためには、「IFRS」に対する知識が必要となり、実務的な負担も大きいことから「強制」適用にまでは至っていないというのが現状です。

IFRSの任意適用

「IFRS」を適用することによって、海外の企業との比較可能性が高まる等のメリットがあるため、「任意」で適用することが認められています。実際、日本の多くの企業(特にグローバル展開している大企業を中心)ではすでに「IFRS」を適用しています(適用が決定している企業を含めると、2021年2月時点で230社以上の上場企業が「IFRS」を適用しています)。

  • 三菱商事
  • 三井物産
  • ソフトバンクグループ
  • 楽天
  • ファーストリテイリング
  • 武田薬品工業
  • 本田技研工業
  • 花王
  • ENEOSホールディングス
  • パナソニック

その他、多くの有名企業で「IFRS」が適用されています。

東証のHPで最新のIFRS適用に関する状況、適用している企業の一覧を見ることができます。

https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/ifrs/02.html

相談者

どの企業も名前を聞いたことのある大きな企業ばかりですね。徐々に「IFRS」へ移行する流れが進んでいるということがよくわかりました。

会計士

「IFRS」を導入する際には、多額のコストや時間かかってきます。

そのため、「IFRS」を導入することのメリットをよく考えたうえで導入することが重要です。「IFRS」導入のメリット・デメリットについては、別の記事で解説を予定しています。

IFRS基準の一覧

会計士

IFRS基準の一覧を以下の記事でまとめていますので、あわせてご参照いただけるとより理解が深まります。

あわせて読みたい

「IFRS基準の一覧」については、以下の記事もあわせてご参照ください。

本記事のまとめ
  • 「IFRS」とは、「IASB」という団体が設定した「グローバルな会計基準」のこと
  • 将来的に各国で会計基準を統一しようという動きがあるが、日本や米国では「IFRS」を適用することを強制するという段階までは進んでいない
  • 海外の企業との比較可能性が高まる等のメリットがあるため、「任意」で適用することが認められている(多くの日本企業で任意適用が進んでいる)

本文に記載のとおり、各国の会計基準間で折り合いがつかない項目がいくつかあるため、「IFRS」を強制適用するまでには至っていないのですが、日本基準や米国基準を「IFRS」に近づけるという動きが進んでいます(「コンバージェンス」といいます)。たとえば、「収益認識」については、日本基準、米国基準、IFRSがそれぞれ改正され、日本基準、米国基準と「IFRS」がほぼ同等の基準となっています(別の記事で解説予定です)。